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皮膚・分泌系の更年期症状について
加齢に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下は、皮膚のうるおいや粘膜の保護機能にも影響を及ぼします。その結果、皮膚や目、のどなどに乾燥症状が現れやすくなり、外見上の変化だけでなく、日常生活の快適さにも支障をきたすようになります。これらの皮膚・分泌系の不調は、更年期の特徴的な症状のひとつといえます。
主な症状
のどの渇き
水分を十分に摂っていても、のどが渇いたり、乾燥して声が出にくく感じたりすることがあります。唾液の分泌量が減少し、口腔内の違和感や話しづらさを訴える方もいます。
原因とメカニズム
エストロゲンの減少により、唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量が減ることが主な原因です。また、粘膜の潤いを保つ働きも弱まるため、のどの乾燥感が生じやすくなります。
ドライアイ
目が乾燥してゴロゴロする、かすんで見える、充血するなどの症状があります。涙の分泌が減ることで目の表面が乾きやすくなり、視力の低下や眼精疲労の原因にもなります。
原因とメカニズム
エストロゲンは涙腺の働きにも関与しており、その分泌が減ることで涙の量や質が低下します。その結果、目の表面が乾きやすくなり、異物感や視界のぼやけなどが生じやすくなります。
皮膚の乾燥・かゆみ
皮膚がカサカサし、かゆみや赤みを伴うことがあります。特に肘やすね、背中などが乾燥しやすく、敏感肌になるケースもあります。
原因とメカニズム
エストロゲンには皮膚の水分保持機能を助ける働きがありますが、更年期になるとその作用が弱まり、皮脂分泌や保湿機能が低下します。これにより皮膚のバリア機能が損なわれ、外部刺激に対して敏感になり、かゆみが出やすくなります。
治療と対処法
湿ケア
皮膚の乾燥には、低刺激性の保湿剤を朝晩しっかり塗布することが大切です。入浴後は水分が蒸発しやすいため、すぐに保湿する習慣をつけましょう。
ホルモン補充療法(HRT)
皮膚や粘膜の潤いを保つエストロゲンを補うことで、乾燥やドライアイなどの症状を改善します。全身的な更年期症状の緩和にも効果があります。
点眼薬や口腔保湿剤
ドライアイには保湿成分を含む点眼薬、のどの渇きには唾液分泌を促進するスプレーやタブレットが効果的です。
漢方療法
乾燥体質を改善する処方があり、皮膚や粘膜の保湿力を高める効果が期待できます。冷えやのぼせ、疲れといった他の症状にも対応可能です。
生活習慣の見直し
室内の湿度管理、バランスの取れた食事、十分な水分摂取、過度な洗顔や入浴時の刺激を避けるなど、日常的な工夫が症状緩和に繋がります。
よくある質問
乾燥肌が急にひどくなりました。更年期のせいですか
更年期によるエストロゲン低下が皮膚の乾燥の一因となることがあります。年齢による自然な変化と重なりやすいため、適切なケアと治療で対処可能です。
ドライアイが悪化してメガネが合わなくなった気がします。
涙の量や質が変わることで視力に影響を与えることがあります。眼科での診察とともに、婦人科で更年期との関係を確認するとよいでしょう。
保湿してもすぐにかゆくなります。
保湿剤の種類が肌に合っていない可能性があります。低刺激で保水力の高い製品を選び、症状が続く場合は医師に相談してください。









